アジア最大級のワイン審査会が描く未来と、極上のペアリング体験

暑くもなり、ようやく髪の毛を切って久しぶりにマッシュにしてスッキリ!!・・・と思いきや、まさかのHivino店長豊田と髪型がまる被りしたHivino副店長の田中です。(それまではセンター分けで同じでした...笑)
今回は、2026年7月13日に都内で開催された「サクラアワード2027 説明会&懇親会」に潜入してまいりました。
ただの堅苦しいイベントレポートではなく、ホテルの美味しいご飯と受賞ワインのフリーフロー(飲み放題!)にテンションが上がりまくった私の「感想日記」として、でもワインビジネスに役立つ超重要なポイントはしっかり押さえてお送りします!
⬇️しっかり試飲するHivinio副店長 田中

【3分で分かる】この記事のポイント
- サクラアワードは、日本の女性ワインプロフェッショナルが審査を行う、日本発の国際ワイン審査会
- 「日本の女性」「和食・アジア料理とのペアリング」「消費者へのアプローチ」を組み合わせた独自性がある
- 2026年は過去最多の37カ国から、3,715アイテムがエントリー
- 全体の18%が日本未輸入ワインで、新しい生産者と日本市場をつなぐ役割も担っている
- ロゼ、低アルコール、ノンアルコール、日本ワインが今後の重要テーマ
- 受賞ロゴを「賞の証明」で終わらせず、実際の商品選びや販売につなげようとしている
- 懇親会では受賞ワインと料理を合わせ、食卓を意識した審査会であることを舌でも実感した
まず知っておきたい「サクラアワード」とは?

サクラアワードの正式名称は、「SAKURA Japan Women’s Wine Awards」。
日本の女性ワインプロフェッショナルが審査を行う国際ワインコンペティションとして、2014年にスタートしました。
現在では、世界各国から毎年数千アイテムが集まる、アジア最大規模のワイン審査会へと成長しています。
独自性は「日本の女性×食文化×消費者」
説明会の資料で特に印象に残ったのが、サクラアワードの独自性を表した、次の組み合わせです。
日本の女性 × 和食・アジア料理とのペアリング × 消費者
資料では、この組み合わせを支える要素として、
- 女性の味覚
- 日本市場への適用
- 食文化との強い結びつき
- 消費者へのアプローチ
の4つが挙げられていました。
単に「点数の高いワインを決める場」というより、世界のワインを日本の食卓や売場につなぐ役割を持った審査会なのだと感じます。
サクラアワードが大切にする3つの目的
サクラアワードが掲げている目的は、主に次の3つです。
- 日本の食卓や食文化に合うワインを見つける
- ワイン市場を活性化し、消費者が選びやすい環境をつくる
- ワイン業界で働く女性プロフェッショナルの活躍の場を広げる
これまでの歩みは、創設期、成長期、発展期という3つの段階に整理されています。
創設期には「女性が選ぶ意味」をつくり、成長期にはエントリー数が4,000アイテムを突破。現在は、受賞ロゴの定着や消費者への影響力をさらに高める段階に入っています。
女性だけで審査すること自体がゴールではない
サクラアワードが重視しているのは、単純に「女性はこういう味を好む」という話ではありません。
ソムリエ、バイヤー、輸入、流通、醸造など、さまざまな現場で働く女性プロフェッショナルの視点を集め、日本の食文化や消費者の生活に近いところからワインを評価することに意味があります。
女性の専門性を、日本の食卓や実際のワイン選びへつなげる。
そこまで含めて、サクラアワードならではの特徴なのだと思います。
ブランドや価格を伏せたブラインド審査
審査は、ブランド名や価格などによる先入観を排したブラインド形式で行われます。
有名ブランドだから、価格が高いからという理由ではなく、グラスの中身そのものを評価する仕組みです。
さらに、ワイン単体の品質だけでなく、日本の食卓や和食・アジア料理と一緒に楽しめるかという視点が入っていることも、サクラアワードの面白いところです。
数字で見る、サクラアワード2026の現在地
サクラアワードの特徴を理解したところで、次は2026年の実績を見ていきます。
数字を追ってみると、この審査会が日本国内だけにとどまらない、国際的なコンペティションへ成長していることがよく分かります。
過去最多となる37カ国から3,715アイテム

2026年のサクラアワードには、過去最多となる37カ国から、合計3,715アイテムが集まりました。
国別のエントリー数は、次のとおりです。
- フランス:816アイテム
- イタリア:691アイテム
- 日本:429アイテム
- スペイン:417アイテム
- チリ:296アイテム
そのほか、東欧を含む幅広い国々からワインが集まっています。
日本国内で開催される審査会でありながら、かなり国際色の強いコンペティションです。
全体の18%は日本未輸入ワイン
エントリーの内訳を見ると、海外からのエントリーが56%、国内からのエントリーが44%。
さらに、全体の18%は、まだ日本に輸入されていないワインとして示されていました。
これは、まだ国内で知られていないワインを発掘する場としても、かなり興味深い数字です。
輸入会社や小売店にとっては、新しい商品候補と出会う機会になりますし、海外の生産者にとっては、日本市場へ入るための接点にもなります。
消費者目線でも、
「日本ではまだ広く売られていないワインが、これだけ集まっているのか」
と思うと、少しワクワクしますよね。
3,715アイテムのうち、最高賞は65アイテム
2026年の受賞結果は、次のとおりです。
| 受賞区分 | アイテム数 |
|---|---|
| ダイヤモンドトロフィー | 65 |
| ダブルゴールド | 274 |
| ゴールド | 1,272 |
| シルバー | 714 |
| 受賞なし | 1,455 |
| 合計 | 3,715 |
全体の受賞率は61%。
その中でも最高賞のダイヤモンドトロフィーに選ばれたのは、3,715アイテムのうち65アイテムでした。
「メダルが付いているから何となく良さそう」ではなく、その賞がどのような位置づけなのかまで知ると、ボトルを見る目も少し変わってきます。
説明会で学んだことを、懇親会で“舌の答え合わせ”
ここまで説明会で数字や理念を学んできましたが、その後は懇親会へ。
ホテルの料理と、サクラアワード受賞ワインをフリーフローで楽しむことができました。
和食・アジア料理とのペアリング賞が面白い

サクラアワードには、ワインそのものの品質評価に加え、和食やアジア料理との相性を評価する賞があります。
対象となる料理には、
- 寿司
- 天ぷら
- すき焼き
- 鉄板焼き
- 焼き鳥
- 寄せ鍋
- 中国料理
- 韓国料理
- タイ料理
などがあります。
ワインというと、ついチーズや洋食、肉料理を連想しがちです。
しかし、実際の日本の食卓では、お刺身、焼き魚、揚げ物、鍋料理などと合わせる機会も多くあります。
そこに正面から向き合っていることが、サクラアワードの大きな強みです。
なお、審査会では料理を実際に食べながら採点するのではなく、審査員が自身の知識や経験をもとに、どの料理と相性がよいかを判断します。
2027年に向けて注目したい3つのテーマ

説明会では、これまでの実績だけでなく、これからサクラアワードが力を入れていくカテゴリーについても紹介されました。
特に印象に残ったのが、ロゼ、低・ノンアルコール、日本ワインの3つです。
① ロゼワインは、まだ全体の4.2%
2026年のカテゴリー別エントリーを見ると、構成は次のようになっています。
- 赤ワイン:43.1%
- 白ワイン:32.9%
- スパークリングワイン:15.6%
- ロゼワイン:4.2%
- オレンジワイン:1.5%
ロゼワインは、全体のわずか4.2%でした。
世界では広く楽しまれているロゼですが、日本ではまだ、
「いつ飲めばいいのか分からない」
「どんな料理に合わせればいいのか分からない」
と感じる方も少なくありません。
サクラアワードでは、WINE TOKYO 2026でロゼワインのプレゼンテーションを行うなど、普及にも力を入れています。
今後の方針には、かなりストレートに、
売れないロゼから、売れるロゼへ
という言葉も掲げられていました。
なかなか攻めた表現ですが、個人的にはとても分かりやすくて好きです。
懇親会でも複数のロゼを飲み比べましたが、淡く軽やかなものから、果実味が豊かなもの、料理にしっかり寄り添うタイプまで、スタイルは本当にさまざま。
「ロゼ」という色だけで一括りにするのは、かなりもったいないカテゴリーだと改めて感じました。
② 低アルコール・ノンアルコール
健康志向やライフスタイルの変化によって、低アルコール・ノンアルコールという選択肢も広がっています。
海外で広がる「ソバーキュリアス」という考え方とも重なり、あえて飲まない、飲む量を調整するといった楽しみ方が、少しずつ定着しています。
サクラアワードでも、
- ノンアルコールワイン賞
- 低アルコールワイン賞
が特別賞として設けられています。
今後の課題としても、「若年層のアルコール離れと低アルコールの需要」が挙げられています。
さらに、ビオ、オーガニック、低アルコール、ノンアルコールを、サステナブルな市場への対応として強化していく方針です。
お酒を飲めない方だけでなく、
- 平日のランチ
- 翌日に予定がある日
- 飲酒量を少し抑えたい日
- お酒を飲む人と一緒に乾杯したい時
など、選ばれる理由はどんどん多様になっています。
「飲むか、飲まないか」だけではなく、
「今日はどのくらい飲むか」
を選べる時代になってきたのかもしれません。
③ 全国へ広がる日本ワイン
個人的に最もテンションが上がったのが、日本ワインの伸びです。
日本ワインのエントリー数は、
- 2014年:135アイテム
- 2024年:399アイテム
- 2025年:479アイテム
- 2026年:429アイテム
と推移しています。
2026年は前年より減少したものの、2014年と比べると3倍を超える規模です。
都道府県別では、山梨県が100アイテムで最多。
その後に、北海道57、長野県39、岩手県31、山形県29と続きます。
これまで日本ワインといえば、山梨や長野のイメージが強かったかもしれません。
しかし現在は、北海道から九州まで、全国各地で地域性の異なるワインが造られています。その土地の料理や観光と一緒に楽しめることも、日本ワインならではの魅力です。
サクラアワードは「賞」から「ブランド」へ
今回の説明会でもう一つ重要だと感じたのが、サクラアワードが今後、単なる審査会ではなく「ブランド」へ進化しようとしている点です。
2027年へ向けた5つの方針

今後の方針として、次の5つが示されています。
- SNS、ジャーナリスト、インフルエンサーを通じて消費者との接点を強化する
- アジアでの知名度を広げ、インバウンド需要につなげる
- ビオ、オーガニック、低アルコール、ノンアルコールへ対応する
- ロゼワインを広めるキャンペーンを実施する
- 地域に根差した日本ワインと協調する
最終的には、
「受賞ワイン=売れるワイン」になるように、ブランド価値を強化する
という明確な方向性が掲げられています。
もちろん、「受賞すれば必ず売上が上がる」という単純な話ではありません。
受賞ロゴを見た消費者が、ワインの特徴や価値を理解しやすくなり、選択肢の一つとして手に取りやすくなる。
その流れまで含めて、サクラアワードというブランドを育てようとしているのだと思います。
小売店や飲食店では、どう活用できる?
ワインは、購入前に中身を試せないことが多い商品です。
ラベルを見ても、
「自分の好みに合うのか」
「食事と合うのか」
「この価格で失敗しないか」
と迷うことがあります。
そんな時、受賞ロゴは商品の特徴を伝える一つの目印になります。

サクラアワードには151社の販売協力会社があり、百貨店、スーパー、専門店、EC事業者、酒販店など、幅広い流通企業が参加しています。
ただし、売場でメダルシールを貼るだけでは、その魅力は十分に伝わりません。
例えば、
- 天ぷらに合う受賞ワイン
- 寿司と楽しみたい白ワイン
- 女性ワインメーカーが手がけた一本
- コストパフォーマンス賞のデイリーワイン
- ノンアルコールでも料理と楽しめる一本
というように、受賞理由や飲む場面まで一緒に伝えることが大切です。
お客様の「何を選べばいいか分からない」という気持ちを、そっと軽くしてくれる。
それが、サクラアワードの受賞ロゴが持つ価値なのだと思います。
まとめ:世界と日本の食卓をつなぐサクラアワードへ

今回の説明会を通じて感じたのは、サクラアワードが単に優秀なワインを選ぶだけの審査会ではないということです。
世界の生産者、日本の女性ワインプロフェッショナル、和食やアジア料理、小売店や飲食店、そして実際にワインを飲む消費者。
それぞれを、一つのテーブルにつなげようとしているのがサクラアワードなのだと思います。
2027年のテーマは、
世界と日本のテーブルをつなぐサクラアワード
です。
エントリー期間は、2026年10月1日から11月30日まで。
その後、2027年2月2日に大阪、2月9日に東京で審査会が行われ、3月1日に受賞結果が発表されます。
グランド・テイスティングは、4月20日に予定されています。
ワイナリーやインポーターにとっては、自社のワインを日本市場へ届ける機会に。
小売店や飲食店にとっては、お客様へ新しいワインを提案するきっかけに。
そして消費者にとっては、「今日の食事に合う一本」を見つけるための目印になるはずです。
Hivinoでも、サクラアワード受賞ワインを、単に「賞を取ったワイン」として紹介するだけではなく、
「どんな料理と合うのか」
「どのような場面で楽しめるのか」
まで含めて、皆さんにお伝えしていきたいと思います!
以上、髪型まで店長とペアリングしてしまった、Hivino副店長の田中がお送りしました。